☑創作男性ドクター
☑モブキャラ
☑結腸責め
☑♡喘ぎ&濁点喘ぎ
☑各種捏造
エンシオディス・シルバーアッシュ
ロドスに籍を置くオペレーターの一人。カランド貿易のトップでもある。
イェラグでの出来事を経て、ロドスと協力関係を結ぶことになった。諸々の要因からロドス内では 「彼と対する際は慎重に」と言われてしまうほどだが、当の本人はドクターとしか絡むつもりがない。
割と強引にドクターの友人を名乗った後、着実に距離を詰め、最終的に恋人の座におさまった。
恋とか愛とかの記憶すらなくしているドクターにその辺のことを全て教えた男。
ドクター
ロドスの戦術指揮官。生死をさまよう大怪我を負ったがとある装置に入ることで復活を遂げる。
が、代わりに記憶を失った。とはいえ頭の冴えは変わらず。指揮能力もそのままなので前線の指揮を 続投している。
ようやく体力も情緒も人並み程度になってきたと思ったら、いつの間にかハイスペックな 恋人が出来ていた。
普段は性的なことに消極的だが、理性回復剤を多用するととんでもないことになる。
この本は、テラの情勢が落ち着くまで関係を出来るだけ秘密にしておきたいドクターと
大勢に慕われているドクターが自分のものであると
R.I.Confidential
※モブ視点4話+通常視点1話の構成になります。サンプルはモブ視点分のみです。
①医療部 新人スタッフA
「おはようございます!」
挨拶ははっきり大きな声で。これは子供の時から両親に口すっぱく言われていたことだ。ただでさえ体の小さなザラックの子供は、人よりも大きな声を出さなければなかなか認識してもらえない。だから僕は大声での挨拶がすっかり癖になっている。
そしてそれはこの新しい職場でも変わらない。ロドス・アイランド製薬。鉱石病で苦しんでいる人を独自のスタイルで支援している企業。ここに入れたのはラッキーだった。
母さんが感染者になってから僕は必死に医学の勉強をした。奨学金を貰ってシラクーザの医科大に通い、無事卒業したはいいものの、地元で勤め先を見つけるのは大変だった。そもそもシラクーザに鉱石病を専門とする病院はなかったし、他国に比べ医療産業面で劣っている現状を鑑みても出稼ぎに行くことが一番で。ロドスの噂は聞いていたが、ついこの間まで学生だった自分はコンタクトを取るのも難しい。
そんな折、医科大時代に御世話になったとある先輩からの口利きでロドスを紹介してもらい、無事に医療部へ入職出来たのだ。後から聞いた話だとロドスは人材を拒否することは基本的にないらしく、僕が個人的に突撃してもおそらく入り込むことは出来たのだろう。だが、やはり紹介で入ったほうが色々なことをすっ飛ばせるので有難かった。
「おはよう、昨日も遅くまで仕事してたのに大丈夫?」
そう優しく声をかけてくれたススーロさんこそ、その紹介してくれた先輩である。鉱石病の患者に関わりたい、そういった機関で働きたいとわめいていた僕の噂を聞きつけて、話を取り付けてくれたのだ。
「大丈夫です! それに今日は検診が多い日ですよね! しっかり睡眠取ってきたので!」
「それならいいけど、無理はしないでね」
ハイ! と返事しようと口を大きく開けた瞬間、勢いよく背中を叩かれて僕は咳き込んだ。
「よお、今朝も元気じゃねぇか」
「ごほっ、い、いえいえ、ガヴィルさんほどでは」
「なんだよいっぱしに返しやがって。初日は震えながら医療部の隅で縮こまってたくせに」
「それはガヴィルさんがドクターの首を締め上げていたからで……」
本来命を救うはずの医者が、殺人未遂を犯している現場に遭遇したのだ。来る場所を間違えたかと震えるのも仕方ない。
「そもそもなんであの日ドクターのこと締め上げてたんです」
「定期健診すっぽかしやがったからだよ。まったく、今日もちゃんと来るんだろうな」
「もう来てる」
くぐもった声が背後から聞こえて僕は慌てて振り返った。そこにはいつものように上から下まで着込んでいる僕の上司が立っていた。上司、と言っても勿論直属ではない。ロドス医療部のリーダーといえばケルシー先生だ。前線で指揮をとる、作戦部の長であるドクターと僕は直接の関わりはない。
でも、ドクターは任務前に必ず医療部とブリーフィングをするから、新人の僕でも何度か言葉を交わしたことがあるのだ。それにドクターが指揮をする戦いは極端に負傷者が少なくて、医療従事者の僕にとって、ドクターも尊敬出来る上司には違いなかった。
「ドクター。お疲れ様です」
僕がそう言って会釈するとドクターはひらひらと手を振った。まるで空気、人、物のすべてを拒絶しているかのような様相だが、実はドクターはとても気安い。噂によるとロドスに籍を置くすべてのスタッフの名前を覚えているらしいけど……流石にこれは盛り癖のあるやつらの出まかせだろう。
「朝イチで御出ましたぁ、こりゃ昨日寝てねぇな」
ガヴィルさんがフンと鼻を鳴らす。同時に尾が床をぺしんぺしんと二度叩いた。ちょっとイラっとしたときのガヴィルさんの癖だ。時間に来なくても怒られ、時間通り来ても怒られるとはドクターもなかなか不憫だなと苦笑しながら僕は手元のリストをめくった。
「あれ? でもドクターの検診は今日じゃないですよね」
さっと視線を巡らせるがやはりドクターの名前はない。そもそも、ドクターの検診日は医療部にとっては一大イベントなので、把握してないはずがないし。
「今日はドクターにしか引っ張ってこれねー患者がリストにいんだよ」
「正確には『患者』じゃないけど……」
ススーロさんがリスト上の名前を指で示した。そこには「エンシオディス・シルバーアッシュ」と綴られている。僕は小さく「あっ」と声を漏らした。医療部の記録で一度、見かけたことがある名だ。備考欄に『治療目的ではなく視察』と書かれていたのでよく覚えている。
・・・・・・・
②後方支援部格納庫班 飛行装置誘導係C
『社長さんのお着きだ。しっかりやれよ地上班』
「はいはい、今日もまた偉く遅い時間だな」
管制室からの通信を受けオレは夜空を見上げた。ああ、飛行装置のライトが目に刺さる。遅番の上がり間際はだいたいこうだ。ちょっと睡眠時間の調整をミスったせいで今日はとくに眠気がひどい。
勿論仕事はちゃんとやりますとも。誘導係のオレがミスったら大事故になりかねない。ロドスの格納庫に穴でも開けてみろ。班長に首根っこ捕まれてオレもその穴に放り込まれる。ウルサスの男は加減を知らないから、か弱いリーベリのオレは放り込まれる前に死んでるかもしれないが。
特徴的なマークのついた飛行装置を誘導しながらオレはあくびをかみ殺した。カランド貿易の飛行装置はロドスのものとは音が違うから実は見なくてもわかる。これはちょっとした自慢だ。
無事着艦したら重そうな金属の扉に手をかける。開け方にも少しコツがいるが、もう慣れたものだ。だが、この後ここから出てくる人物にはいつまでたっても慣れない。
「こんばんは。シルバーアッシュさん」
例え目礼しか返ってこないとしても、マニュアル通りにオレは彼に挨拶する。そして続けてドクターの居場所を知らせる。そういう決まりと聞いているからだ。案の定今日も視線だけが送られた。
『あの瞳にちらっと見てもらえるだけでも羨ましいわよ!』
そんなことを言っていたのは確か艦内案内係のコだったか。他にもロドス内にはちらほら彼のファンがいると聞く。まぁ、確かにかっこいいのは認めるが実際に間近で見たら整いすぎててむしろオレは怖さを感じる。決して非モテ男のひがみではない。
格納庫からロドス艦内へと入るタイミングで、彼の肩から羽獣が静かに飛び立った。多分甲板の方に行くんだろう。その光景もお決まりだ。
カランドの飛行装置がエンジンを切ったのを確認したら誘導係の仕事は終わり。というか、きっと今日の業務は今ので最後だろう。そもそも、予定表にない飛び入りの案件だ。まぁ、シルバーアッシュさんはいつも突然ロドスに来るので仕方ない。
——さて、備品の整備ももう終わっているし、上がりまで暇だな。オレはおもむろにインカムのスイッチを押した。管制室の通信員は呼び出すと律儀に回線を開けてくれるからありがたい。
『どうした、トラブルか?』
「よう、上がりまでの時間、オレが寝ないようになんか話してくれ」
『またお前、回線を私用で使って。この間もあのデカブツ上司に怒られてたじゃないか、懲りないな』
「遅番の特権だろ。お互い寝落ちする方がまずい。それにオレは喋ってる方が調子いいんだ」
『リーベリはそもそもよく喋るだろ』
「おい、種族差別やめろって」
『いや、でもお前マジで口軽いのどうにかしたほうがいいって。うち結構機密情報多いし』
「さすがにやばい情報を外には漏らしてない」
『どうだかな。この間だってあやうくクビになりかけてたじゃないか』
なんだかんだ言いつつ会話を続けてくれるからほんとこいつはいいやつだ。
「だからあれは……ん?」
『どうした?』
ふと、視界に入った格納庫そばにある待合室(ロビー)。そこはロドス艦内とつながっていて、大きな窓が特徴だ。多分、格納庫や飛行装置の様子が中から見られるようにという配慮なんだろう。出入りが激しい日中は、待合室に人がいることもあるが、遅番で入るとまぁまず人はいない。なのに、今、そこに人がいるのだ。しかも、あのシルバーアッシュさんが。
・・・・・・・
③後方支援部公共食堂 調理場担当B
ここはロドス艦船、第二艦室の公共食堂。別名「支援部食堂」。あたしの職場だ。
あたしの一日はまず、外にあるボードに「欲しい食材リスト」を貼りつけることから始まる。調理担当がそれぞれその日毎にボードに書き込んでいるけど、皆思うままに書いているのでまぁまぁ見にくい。だからわかりやすいように前日あたしがまとめ直してるってわけ。そうすれば仕入れ担当の人はそのリストをはがして持って帰るだけでいいから。
「おはよー。あっお姉ちゃん、リストありがとう!」
「おはよう」
元気な挨拶と共に食堂に入ってきたのはグムちゃんだ。彼女は前線に出るれっきとした重装部のオペレーターだけど、本人の希望で任務や訓練がないときは食堂でバイトしている。こんな感じで食堂には料理が得意なオペレーターが何人か集まっているんだよね。
そもそもロドスには兼任者が多い。勿論専門職の人もいるけど艦内の定員には限りがあるし、人員を増やすよりも感染者を多く収容したいのが本音なんだろう。あたしはクルビアで栄養学を勉強した後、数年間病院で管理栄養士をして、その後調理師免許も取り病気で動けない人向けのフードデリバリーをやったりしてた。その経験のお陰でロドスに入れたんだと思う。
「あっグムちゃん、このスパイス瓶なんだけど、昨日見たら在庫が残ってたの。だからあたしの判断でリストから消しちゃったんだけど平気?」
「わっ、ごめんね。グム、見落としちゃってた?」
「ああ、いいのいいの。上の棚の奥の方に転がってたから。あの位置はマッターホルンさんじゃないとチェック出来ない」
「あはは! じゃあ今度からマッターホルンおじさんに肩車してもらって在庫確認しようかな!」
「別に構いませんが……脚立を使った方が確実ですよ」
丁度話題に出たマッターホルンさんも出勤してきた。彼もグムちゃんと同じ重装部のオペレーターだ。重装部には料理が得意な人が多いのだろうか。ウンさんも重装部所属だし。
「マッターホルンさんおはようございます。今日はフルで入られるんですか」
「ええ。新作を試したいですし、各種
「グムも手伝うよ!」
「あたしにも振って下さい」
「ありがとうございます。助かります。でもまずは朝食組の準備ですね」
あたしは返事代わりに勢いよく冷蔵庫を開けた。今日もきっと、忙しくなる。
ロドスに食堂はいくつかあるが、ここが多分一番大きい。だから人の出入りも激しいし、注文数だって多い。勿論、あたしたち三人以外にも調理場に入ってくれてる人はいるし、下ごしらえを済ませているものが多いからクレームが出ないほどには回せているけどやっぱりピーク時間は目が回る忙しさになる。ほっと一息つけるのは十四時から。そこで少し休憩をして夜のピークタイムに備えるのだ。その時に食べるまかないは日によって仕込む担当が変わる。今日はあたしが当番だ。
「グムちゃん、今日のまかないどうしようか? 仕入れ日だったし何でも作れるよ」
「んー! どうしようかな」
「もし、宜しければなのですが」
珍しい。いつもなら「グムお嬢さんの好きな物で」と言うマッターホルンさんが珍しく意見を出した。
「実は先ほどドクターから「午後、お客を連れて行くかも」と連絡が入りまして……。時間的に丁度我々のまかない時間と被りそうなので、獣肉料理を多めに仕込んで頂けると助かります。勿論、俺も手伝いますので」
「それは構わないですけど、獣肉料理でいいんですか? ドクターって割とあっさりした料理がお好みだったような」
「あっ! グム分かっちゃった! そのお客さんってシルバーアッシュさんでしょ!」
「はは、当たりです」
食堂を利用する人の顔と名前は大体覚えている。でも、その「シルバーアッシュさん」は名前しか知らない。マッターホルンさんがたまに名前を出すから知っているのだ。確か、その人に仕えてるんだっけ。クルビアには金持ちはいても所謂、由緒正しい貴族ってのがほぼいないから、話を聞いたときは少し驚いた。
後は、そう。食堂で職員たちがたまに名前を出して盛り上がっているのを聞いたくらい。やれめちゃくちゃ強いだの、やれ信じられないくらい美形だの、皆本人が居ないのをいいことに好きに言うものだと少し呆れたくらいだ。そんな噂のシルバーアッシュさんがとうとう来るのか。
・・・・・・・
④後方支援部情報管理班 モニター監視員A
※「仮眠室:001使用中」「B4-D倉庫:使用中」を少し修正し、更にもう一日分のエピソードを加えたお話になります
その日、俺はいつもより早めに休憩に入った。深夜独特の静けさの中、格納庫近くの食堂を目指して歩く。
勤務開始から数時間、特に変化のない監視モニターを眺めながら実は今日夕飯を食べ損ねた、と笑い混じりに同僚に零したところ、先に休憩に入ってこいとモニタールームから蹴り出されたのだ。夜勤は生活リズムがガタガタになるが仕事自体は楽な方だし、少々手荒だが良い同僚にも恵まれている。
自分が感染者になったときはもうこの先、まともな場所で働くことなんてできないと絶望したが……本当にここ、ロドス・アイランド製薬で働くことが出来て良かった。
そうしみじみ思いながら歩いていると、背後から何か物音が聞こえた気がして、思わず足を止める。日中と違って、深夜の通路はひっそりとしているはずなのに、どうも人の声のようなものが断続的に聞こえるのだ。怖がりのザラックがここに居たら叫び声をあげて爆速で逃げていくだろう。
このエリアには職員向けの仮眠室が並んでいる。音の感じからしてどうやらそのうちの一つから謎の声がしているようだ。
「ッ……や……はな……」
「…………、…」
更に続けて声が聞こえてきて空腹よりも好奇心が勝った俺は、後五分ほど廊下を歩いて小腹を満たすよりも、音のする仮眠室を特定する方を選んだ。
微かな声を頼りに来た道をゆっくり戻る。どうやら格納庫から一番近い仮眠室の扉が怪しい。使用中、と点灯しているその隣室が空いていたので俺はそこに体を滑り込ませた。
この時間帯に仮眠室で声混じりの物音、と来たら下世話な予想しかたてられない。一体どこのカップルが仮眠室で不埒な行為に耽っているのか、もしも知り合いだったら一週間は揶揄える。そう思いながら俺は壁に耳をぴたりとくっつけた。
「ひぃっ……! ぅあっ、あぁぁ⁉ っ! ま、って、むり、ぁぐっ!」
仮眠室の壁はそう薄くないはずだが、隣では相当凄い交合いを行っているようで耳に嬌声がビリビリと響いた。これは確かに深夜の廊下に漏れてもおかしくない声量だ。そしてこの声にはやけに聞き馴染みがある。
『やぁ、いつもモニターチェックをありがとう。ロドスの防衛に君たちは欠かせない。大事な仕事だ』
そう、つい三十分前に聞いた声じゃないか。来客を迎えがてらモニタールームに足を運んでくれた彼。完全防備のその装いの中には脳みそが二つあるとか、ないとか。そんな面白くもない冗談をうちの主任が言っても爽やかに笑い飛ばしてくれた『ドクター』。今、自分の耳に反響するこれは確かに、あられもなく泣き叫ぶドクターの声だった。
・・・・・・・
・・・続きは本編で
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